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全国で建築基準法施工令の基準から外れた学校の塀が2498例あるといわれています。ブロックの塀は、戦後なぜこれだけ多く築造されたのでしょうか?とタイトルを変えました。勿論歴史背景も追記しております。

 6月18日大阪北部地震により被害を受けられた方、またお怪我なさった方には心からお見舞い申し上げます、 

やはり、高すぎるブロック塀は見ただけで危険を感じますね。
全国で建築基準法施工令の基準から外れた学校の塀が2498例あるといわれています。

今回のブロック塀の倒壊のニュースを見るまでもなく素人目にも判断できますので、皆様が建築危険判定士になられたつもりで町行く通りのブロック塀を観察してみてください。まず目安として自分の背より高い塀、この時はブロックの厚みを計ってください。10㎝の厚みが殆どですが、これはNGです。また控え壁が付いているか?それも正式には8枚に一ヶ所必要です。その他、古くなって黒くなってくると水が浸透し、中の鉄筋が腐食してきます。
今回は10㎝のブロックでしたので下から 5段(1m)残して上にアルミフェンスを取り付けました。




これで見た目にも安心感があるのがお分かりだと思います。
勿論アルミは不燃材料ですので、防火面でも安心です。しかし?最後まで文章をお読みください。
近所の方には解体工事の騒音、埃などなどご迷惑な話と思いますがご協力よろしくお願いします。
最後に建築基準法のコンクリートブロック造の基準を大まかですが下記に記載します。

壁の厚さは15㎝(高さ2m以内であれば10㎝)以上
ブロック塀の高さは2.2m以下とする
壁の最上部及び隅各部には9㎜径以上の鉄筋を配置する
壁内には9㎜以上の鉄筋を80㎝以内の間隔で配置する
長さ3.4m毎に径9㎜以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分においては壁面からの高さの1/5以上突き出したものを設ける
鉄筋の末端は鍵状にまげて配置する
基礎の高さは35㎝以上とし根入の深さは30㎝以上とする。

その他細かい規定もありますが大筋だけ掲載します。
以上です。

 

ブロック塀の歴史
なぜ、コンクリートブロックの塀がこれだけ多く築造されたのかを考えてみたいと思います。

1940年以前戦前までの住宅の塀は板塀か生垣が主流でしたが、大戦中の焼夷弾攻撃で都市炎上の惨状から、燃えないブロックで造か、板張りの外からラスモルタル塗りされたのでしょうね。
日本の都市部の狭い道路で、塀が燃えると非難が出来ないですものね。建築基準法では延焼の恐れある部分の、2mを超える塀または門は不燃材料で作る又は覆わなければならないと言う規定が出来ました。考えればもっともでしょうが?現代の世情で戦争があってもあの時のように町並みの塀が軒並み燃えることが起こりえるのでしょうか?
板塀を復活させたら間伐材的な木材でも利用できますので森林の活性化にも一役買って、上手くいくのではと思うのですが、また、木材を不燃化させる技術も開発されています。写真は杉板の塀で「あやめ張り」というデザインです。ブロックやアルミパネル塀と比較してどちらが人と地球に優しいく感じられますか?
とは言っても放火されたらどうするの?消防署の方からお叱りを受けるかも知れないですね。これを機に、防火消防、脱石油の地球温暖化問題、耐震問題、都市計画、などなど、災害時にどれだけ被害が軽減できるか?みんなで考えてみる必要はあると思います。


もう一度、建築基準法の見直しをしてもと思います。
現行法は、昭和25年に作った法律です。どうしても直近に起こった戦災が頭から離れず、燃えない材料で、こういう具合になるのでしょうね。

なんども言いますが、最初の写真例のように上部アルミフェンスパネルは軽くて錆びも出ませんのでありがたいのですが、アルミはご存知のように製造工程で大量の電気エネルギーが必要です。今のブロック塀をアルミフェンスに変えるとなるとどれだけの電気エネルギーが要るでしょうか?今、電力の殆どを火力発電で賄っている現代の日本では、省エネ、地球温暖化防止という観点からも、見直していく必要はないでしょうか?

建築基準法62条2

 準防火地域内にある木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、これに附属する高さ二メートルを超える門又は塀で当該門又は塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。
ご意見ご指導よろしくお願いします。

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