白犬のおいど浪花話 第三話
〈嵐山の家の石畳〉

こんな話しを聞きました。
NHK前回の朝ドラ、浪花千栄子さんの話しです。
○大阪のおばちゃん
 友達の薬屋が嵐山の浪花千栄子さんのお家に薬を届けていて、一度嵐山について行きましてん。

入り口の枝折戸から石畳の細い露地が玄関まで続いていて、とても風情がありましたが、その石畳の下に渋谷天外に宛てた愛人からの手紙が敷きこんである。

とのこと、それ聞いてゾッとして足がすくんでまいましてん

○私
へーそら怖い話しですな、おなごさんの執念ちゅうでんな?あーーこわ!

○おばちゃん
あーこわって あんさん身に覚えあるんでっか?

○私
おまへんおまへん、そんな甲斐おまっかいな。

○おばちゃん
そやろね、その稼ぎとその顔ではね!

○私
ほっといとくなはれ!

○おばちゃん
ハハハハ、そうそう、どこまで言いましたかいな?
○私
足すくみはったんでしょ

○おばちゃん
そうそう そうですよー!
足すくんでしもてね、

そんで帰りの道で石にけつまづいてこけましてんがな。

○私
そら えらいこっちゃ!

○おばちゃん
そうでんねん、行くんやなかった。

○私
すんません。それでお怪我はせえしませんでしたんか?

○おばちゃん
いや大したことないでっけどね、膝すりむいて、ちょっとだけ血いがでてまんねんがな。

○私
おーおっ、そら“いと”ましたやろ。
それで?

○おばちゃん
それでやね、さっき言うてた友達の薬屋はんで[オロナイン軟膏]を買うてやね、 早速塗ってますがな。ハハハハ
(なんでオロナインか?知らない人は、おばあちゃんに聞いとくなはれ)

オロナイン軟膏代請求したいは!!
ほんまに(笑)

○私
請求て誰に請求しはるんでっか?

○おばちゃん
そんなもん誰でも一緒ですは!

○私
あんさんのお話、相手が渋谷天外さんだけに、奇想 天外 な話でんな❗️

おしまい。

https://www.otsuka.co.jp/ohn/history/

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