白犬のおいど浪花話 第二話
[白犬のおいど浪花話]
第二話
〈風邪の引いた風邪薬〉
大阪では賞味期限の切れた薬を
「この薬が風邪引いてる」とか言います。
とある駅前の喫茶店
A君が遅れて着いたところから
〇A君
ごめんやで、風邪ひいてしもて、
そやから今日はしんどてな、朝家出んのん遅なってしもてん。
〇B君
そらえらいこちゃな あんたが風邪引くとはな、そいで
風邪薬は飲んだんかいな?
〇A君
飲むことは飲んだんやけどな、風邪薬が風邪ひいとったみたいで
いっこも効けへんねん。
〇B君
それやったらええこと教えたるは、
風邪引いた風邪薬に風邪のひいてない風邪薬飲ましてな、風邪のひいた風邪薬の風邪を治してから風邪の治ったその風邪薬飲んだら君の風邪が治るんちゃうか?
どないや。
(ここまで一気に早口言葉です)
ええ考えやろ。
〇A君
そらええこと聴いた。早速家にいんでやってみるは。
話を聴いていた喫茶店の店主
何言うてんねん、そんな周りくどいことすんねんやったら風邪引いた風邪薬にのます風邪のひいてない風邪薬をA君が飲んだらしまいやがな。
〇AB君
なるほどそらそやな ”たいしょ“ 流石ですな。
ハハハハ亀の甲より年の甲とはよう言い得てるな。
ええこと言いはる🤝 おおきにおおきに。
こう言う「危なっかしい頼りないともだち連れも、はたから見ればユーモアで、
そのまま漫才ですね。
大阪弁 二人寄れば漫才
【白犬のおいど浪速話】〈第二話−2〉
「たよんないのにたよりができて、できたたよりが、こらまたたよんない」
とか言って人を揶揄することばがありました。
下記 例話です
先程の二人の共通の上司どうしの会話
〇C課長
君とこの課のA君な、ええ子やけどたよんないな。
〇D課長
褒められてるのか貶されてるのかどっちやねん。(以下課長抜き)
〇C
まぁー貶してんねんけどな。
ほんまのことやねんから
D
そのA君がこないだ風邪ひいて休みよってん。
ほんでな、なんで薬飲んでさっさと治さんかってんと怒ったらな、
“飲んだ風邪薬が先に風邪ひいとって効かんかった”。
といいよんねん。
C
そんなアホなーーそれで?
D
最近気の合うB君と言う友達が出来たみたいで色々教えてもろとんねん。
C
そらええこちゃ!
D
いっこもええことあれへん
風邪の引いた風邪薬に風邪の引いてない風邪薬飲まして、風邪ひいた風邪薬の風邪を治してからそれを飲んだら風邪が治るちゃうかとか二人で喋っとんねん。
C
えらいややこしい話やけど二人とも
どっちもどっちやな。
D
そやねん、それがお互いえらい頼りにしとるんで困ってんねんがな。
C
「たよんないのにたよりができて、できたたよりが、こらまたたよんない」
をじで行く話やな。
大変やけど、アホになって気長に面倒みったて。
おしまい。
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