本物の素材を活かす家づくり
内容は今年書いたとしても全く遜色ありませんので再稿します。ながーーいですので、
根気良くお読みいただいて感想いただいたらビールぐらいは奢りますよ!(^0^)
それではよろしくお願いします。
日本列島は集中豪雨であちらこちらと被害が大変です。
いのこう通信で何度も書きましたが、山が荒れて、保水力が無くなっているのも水害の大きな原因ではないでしょうか。
私どもは、大切なご家族のため「家族が仲良く暮らす家を建てたい」と言う半面、偉そうなことを言えば、
環境も考えた仕事をしていると自負しています。
家は、一度建てたらそう何度も建替える事は出来ません。
この間も我が社の大工さんが、ほぼ出来上がった現場の中で、「やっぱり無垢の木はええなー」(大阪弁です)と急に独り言のように声を出して言いました。
横にいる私がびっくりして、「えーえー、どないしたん」と言いましたが、「やっぱり社長!これはよろしいで!」と、もう一度言いました。
大袈裟な言い方ですが、「うちがお客様のために心を込めてお造りしている家は世界中に一棟しかない、
手作りの家やで!」釣られて私も恥かしげもなく言ってしまいました。
先日、御近所で完成した家は2階の床に4cm厚の杉板を使い(勿論、節はありますよ)1階の天上は張らずに仕上げました。
「上の足音がこんこんと煩いで!」とお叱りを受けないか心配していましたが、2階の子供がなにをしてるかすぐわかり、
家の中の一体感が広がり大変喜んでもらいました。
子供部屋のところから、吹き抜け階段には竹の登り棒を付けた(小学校に昔あった竹登り)のも好評でした。
私どもは小さな工務店ですので、新聞、チラシ広告などの宣伝もほとんど出来ませんので、
こうした声が何よりの宣伝になり、仕事が繋がって行きます。これがありがたい事です。
今回も、お造りした家は、ご近所の皆さま、たまたま家の前を通りかかって思わず足を止めてしまった皆さまから
「素敵なお家!」と注目されています。
完成後、実際の暮らしを体感されたお客さまからは、先ほどのように「自分の選択に、間違いはないと思っていましたが、
想像以上の快適さで、大満足です!」このような嬉しい声がお造りする度に、私どもに届いています。
お造りしたどの家も、訪れた方から「こんな素敵なお家、一体どこから探してきたの?」と言われるんです。
と言う言葉を聞いて嬉しくなりました。
そこで私も調子に乗って今月は「この家でなければいけなかった、その理由とは?」「いったいどんな理由なの?」
をいのこう通信で話してみようと思います。
従来の家づくりではあまり考えられなかった次に挙げる特徴があります。
いのこうの家づくりの「その特徴とは…」
丸太の全てを使いきったエコロジーな家づくり
〇構造材
主要な骨組みの木は吉野産の杉、桧、時には内地松を使用しています。樹齢は60年から100年
どうしても米松でお願いしますと言う事であれば、米松も使いますが、あくまで基本方針は先述の吉野材です。
また、その場合でも、床板造作材は、全て無垢の木を使っています。
〇大きさ
4寸角が原則で、梁の幅も一般的には3.5寸が殆どですが、当社は4寸幅を使用しています。
梁の成(立ての寸法)が大きいほど鉛直荷重を多く支えることができますが、巾は横のたわみと、
何らかの欠損が出ても安全なように一回り大きくしています。
〇乾燥の状態
材は全て自然乾燥材で、材料に無理なくしかもエコロジーな方法をとっています。
何と言っても材料を、高温で傷めていませんので、安心、そして見た目が綺麗です。
〇製材について
太い目の丸太の中央の部分(赤身、芯材)で、柱や梁材の構造材を製材します。
丸太の中央は、樹齢を増すごとに、その割合が大きくなります。
製材の過程で、先ず、4から5センチ厚さの板が何枚か残ります。
これを、床板や、天井件屋根下地に使用します。
そして、一番外側の板が、外壁モルタルの下地に使用している板です。(小幅板と言います)
其々を一枚ずつ桟積みして風を通して2年から3年掛けて乾燥しています。
一般的に流通している材と比べて頂くと良く解ります。
小幅板は12ミリが一般的ですが、17mmの厚さの板を使用する時もあります。
産直だけに、値段は変わりません。製材には社長の私も時には立ち会います。
丸太の製材は何時もドキドキ、ワクワクします。(本当に楽しいですよ!)
〇土台、柱、梁材
何度も言いますが、全て太い目の丸太から製材しますので、中心部が赤身が多いのと、吉野材特有の年輪が詰まっていて、
(年輪巾)強度があります。赤い所と白い所の混じった材を源平材と言います。(本当ですよ!)
〇総合的に製材します
全ての部位の材料を製材しますので、そういうことが出来ます。
一般的には柱は柱の製材所、板は板の製材所などと、分業化されていました。
ということは、柱を製材したら後の材は無くても採算が合うように考えて、丸太を使用していました。
そうすることによるメリットは、製材所にこそあれ消費者、お客様も含めて、
工務店にも何のメリットもありません。
私たちは、丸太から全ての部位に廻せるような製材方法で、建築材から建具材、最後は割り箸まで(笑う)爪楊枝は作っていません。
楊枝はクロモジの木か柳の木が主流です。
話は脱線しましたが、という事で、安くて良質な材を使用できます。
それでも、製材の端材、枝、曲がり、割れ、あて、など、木材の欠点も色々あります。
また我々の現場へ来てからでも大工さんが刻んで木っ端が出ます。
結局、山の木が伐倒されて、木材に利用される使用率は、30%位だそうです。考えさせられますね。
以上で、前段の『丸太の全てを使いきったエコロジーな家づくり』の話を終らせて頂きます。
続きはまだ有りますが、次の機会にお付き合い下さい。
追伸です。
本物の木材や天然素材のクロス、漆喰は、時には割れるし反るし、フローリングは乾燥して5ミリ位隙間が開く時もあります。
「これも生き物と一緒に生活していると思えば嬉しいです」と言って下さったお客様がおられました。
自然素材のいいところばかり言いましたので、隙間も開きますよ、割れたりしますよ、と言う事を、くどいようですが追伸しました。
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